2014年8月1日金曜日

(素人の) レッドブル X2014の空力考察

CG系の職業をめざしている私ですが、カーデザインにも興味があり、
「自分のオリジナルのクルマをデザインしてみたい」というところがあって、
特に空力に非常に興味があるので、そこら辺も勉強中。

それで、空力で非常に勉強になるのが、グランツーリスモのレッドブルXシリーズです。
GTユーザーならわかると思いますが、一切の規制に縛られないクルマです。

デザインに協力したのは空力の鬼才と呼ばれるエイドリアン・ニューウェイ。
F1のトレンドな空力パーツはだいたいこの人が初めと呼ばれるほどです。

そんな人がデザインしたレッドブルXシリーズ、つまりは現時点で最も空力に優れた
ボディを持ったマシンということになります。

そんなマシンを自分なりに分析、考察して、勉強してみようと思います。


考察するのは現時点で最新のレッドブルX2014、その中のファンカータイプと
スタンダード(ベンチュリー)タイプ

主に見ていくのは、ファンにダウンフォースを頼り、空力パーツをごっそりと落とした
ファンカータイプ、空気抵抗を出来る限り減らした、理想的なボディを持っています。

まず正面(主にフロントタイヤ)


F1と違いタイヤはカウルに収まっています。F1でのタイヤ部分だけでの空気抵抗は
4、5割を占めるほどだとか、そしてカウルは空気抵抗を極限まで減らすために
タイヤがどちらにも切られていない状態でやっと収まるほどまで狭まっています。
あとダウンフォース獲得のために小さなカナードが付いてますね。

下部の穴ですが、おそらくブレーキディスクを冷却するための吸気ダクト?
タイヤカウルのマシン側に膨らみがありますがおそらくそこを通ってタイヤ内に送られて
いると思われます。X2011までは、この吸気ダクトはなく、今ふくらみとなっているところに、
直接穴があり、そこから空気を取り入れていました。(この膨らみですが、コーナーなどで
タイヤが曲がっているときは、ふくらみからずれて、吸気口が出て、X2011以前と同様な
吸気を行うようになっています)

内側の写真です。サスはダブルウィッシュボーンにプッシュロッド、流線型カバーで
覆われています。アッパーアームが太いのでおそらくこの中にタイロッドが
入っているっぽいです。プッシュロッドにしては細いような気がしますが、
最近のF1もこんなもんでしたっけ?

横から見た写真と上からの写真

上部にタイヤハウス内のエアを抜くスリットがあります。タイヤカバーにもエアを抜く
(というよりブレーキディスクを冷却する空気の通り道?)ダクトがあります
出来る限り流線型に近づけた形?といってよいのでしょうか、見ての通りですが、
タイヤカウルのリアエンドが魚のヒレのような? 形状をしています。
(個人的な想像ですが、より空気を沿わせて流すような形にした?)
後端が車体側に反っているところを見ると、リアタイヤより内側へと空気を導こうとして
いるのでしょうか。 

続いてリアタイヤ周辺です

なんというかマシンのカラーリング自体が空気の流れになってそうですね。
パッと見た感じでも「まさしくこう流れている」と思います。
ブルーカラーの部分にサイドポットで吸気した空気を出すルーバーがあります。
F1のようなコックピット真後ろのエアボックス吸気口が見当たらないということは、
このサイドポットの中に納まってるんですかね?

内部です。

まさに空洞といった感じです。
空洞下側のパネルが丸々ディフューザーになっているようです。
途中にエギゾーストパイプが見えることから、ブロウン・ディフューザーにもなってるようです。
ところでリアのサスペンションなどが全くない見当たらないわけですが、これは上部の
パネルに収まっているのでしょうか? wikiにはフルアクディブライド・サスペンションとだけ
書かれていますが、それ以外の情報はありません。タイヤカウルから少し出ているふくらみに
何かありそうですが、確認する術はありません。

リアエンド。

ファンシステムの排気口が印象的です。
リアタイヤのエア抜き処理は現在のルマンプロトのような形になってますね。
ここでもダウンフォースを稼ぐように4枚のルーバーが付いています。その下がプレートで
閉じられているのが何故かよく分かりませんが、さらにその下がわずかに跳ね上がって
ディフューザーのようになっています。

素人なのでよく分からないのですが、リアタイヤのカウルもフロントのような流線型上を
使った方が抵抗を減らせそうな感じがするのですが、ニューウェイさんがぶった切った形に
したということは。これが空力的にはいいということなのでしょうか?


リアウイングです。ダブルウイング?になってます。
スワンネックにシャークフィン、今トレンドなパーツですね、
ウイングが翼端板を持たず、下に曲がっています。飛行機で言うウイングレットの
ように翼端の渦を抑えるための形状だと考えられます。翼端板も同じ目的で付いてますが、
車体形状に沿わせるためにこんな形にしたという事でしょうか。


大体の部分について考察したので、ここからはスタンダードタイプとの比較です。

リアから


右がスタンダード、よりダウンフォースを得るために上側のパネルが
ファンカーより跳ね上がっています。エギゾーストパイプの位置が若干異なっていますが、
ファンシステム有無の関係?それともエンジンサイズの関係でしょうか?
単に空力の変更ということもありそうですが、

また、上部パネルが跳ね上がったことで、
ファンカーでは隠れていたドライブシャフトが露出しています。

ファンカーで半分隠れていたドライブシャフト ↓

スタンダードタイプのリアエンドには何かの排気ダクトがあります。
なんでしょう? サイドポッドから吸って上部のパネルで出し切れなかったエアの
逃げ道でしょうか。

スタンダードタイプの巨大なリアウィング、翼端板の形状もユニークです。

スタンダードの方が若干アンダーパネルが大きいようです。
これでどれだけダウンフォースが変わるのでしょうか。

ファンカーの方は、中央がふっくら?していて、この下にファンの吸気口があります。
ふっくらしているのは、底面積を広げてファンによる吸い付きを高めるため?

あとスタンダードはフロントサスのアッパーアームが一つの羽の中に納まっています。



フロントタイヤのカウルです。(←ファンカー / スタンダード→)


スタンダードは上部のスリットが増え、カウルの側面にもスリットが二つ設けられています
他でダウンフォースが得られるならスリット無しが一番の理想ということですかね。

最後はフロントです。

一番目につくのはフロントウイング、スタンダードにはフラップ?が追加されてます
このフラップの有無で大分空気の流れが大分変りそうですが、だからスタンダードは
フロントサスにカバーが付いてるのかな?

スタンダードはカナードが大きくなっています。
しかしカナードは発生させた渦による負圧を使ってタイヤハウス内のエアを抜いて
ダウンフォースを高めるわけですが、タイヤにはカバーが付いているのでエアが
抜けにくいように見えます。一応タイヤカバーにダクトがあるわけですが、カナードの
延長上にダクトがあるので、より早く引き抜くためのものってことですかね。

カナード下のフロントスポイラーも形状が違います。スタンダードはカナードの始まりと
同じ位置でスポイラーが終わっているところを見ると、カナード下面の空気もより上に
引き上げようという考えでしょうか。


…とまあ、ここまでいろいろとみてきましたが、レッドブルXシリーズは勉強になりますね。
少しだけ空気の流れが見えるようになったかな?まあ微々たるものですが…
今後もXシリーズはGTとレッドブルによって改良されていくと予想されます。
一体どんな形になっていくんでしょうね?想像がつかないです。

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