2012年1月31日火曜日

720km/h?

先日、日曜日、二発目のレールガン発射実験をしました。

今回の二発目の実験で思ったことは、レールガンの実験は連続して行えないということです。

というのも、一発撃つごとに解体してメンテナンスするのはもちろん(煤はふき取らないと結構摩擦係数が上がる)、発射後のバレルを確認することで、どのような現象が起きたかを知る重要な手段だからです。 なので、より正確なデータを得るために一日に一発に限ることにしました。

…まあブログをご覧の皆様からしてみればどうでもいい話ではありますが…

さて本題に入りましょう。

一回目の射撃で発射時の放電周期が気になり、オシロスコープを使って波形を調べてみました。

オシロスコープ計測 01
これが放電前の状態、画面が暗いのは、一瞬の波形を捉えるためにハイスピードカメラを使ったためです。

オシロスコープ計測 02
これが放電瞬間の映像、わかりにくいですが、右側にある緑の縦線です。

オシロスコープ計測 03
次のコマ、420fpsで撮影したので0.002秒後の波です。

オシロスコープ計測 04
発射後、通電をやめてコンデンサに余った約80v分の電位が確認できます。

オシロスコープをレールガンにダイレクトに繋ぐ勇気がなかったので75kΩの抵抗をかませています。

その分、電圧降下が起きるのでピークパルス時の電圧が400vと出るところが200v程で表示されています。

スイープを50にセットしているのでひとメモリ約0.5msです。
見たところ、0.5msないし1.0msのパルスを確認できます。
妥当な数値です。パルス後、約5msかけて放電したようです。

今回はインダクターの巻き数を大幅に減らして0.002mH(=2μH)まで下げました。
これで安定していると判断したのでインダクターはこのままいきます。

さて、肝心の弾速ですが、前回の方法(落下距離から弾速を求める)は失敗したので、違う方法で弾速を図ることにしました。

CIMG1979.jpg

Q.「何コレ?」

A.「振り子です」

kisaragiさんが弾速を図るのに振り子を使っていたのでそれを参考にしました。

弾を振り子に衝突させ、振り子の運動エネルギーに変換、振り上がった高さから速度を求めます。

計算式は、

速度v=(弾の質量m+振り子の質量M)×√2×重力加速度g×振り上がった高さh(m)
まとめると、 v=(m+M)√2gh となります。

申し訳ないのですが、今回もまとめ動画で一気に見せたいので写真はナシで。

で、撮影したところ、弾の命中した振り子はカメラの撮影範囲をオーバーする程上がってしまい。正確な計測はできませんでした。

消えて戻ってくるまでの時間と重力加速度や回転速度から考えた結果、約20cm振り上がったと推測、

その結果から求めてみると、

弾速:170m/s 出力7Jとなりました。 以前より大分上がりました。
しかし、これは振り子の運動になった分のみのエネルギーです。

CIMG2041.jpg

セッティングをミスったようで、中央のレシーブする部分に当たらず、木の部分にヒットしています。

ここで重要なのは、この木のへこみ具合です。 約2mmほどへこませています。大したことないと思うでしょうが、この木は密度の高い種類でよほどの力がない限りへこみません。(これはホームセンターで買ったものです。材質はおそらくヒノキ?) 試しにハンマーでたたいてみましたがそこまで凹むことはありません。それにハンマーでたたく場合は垂直に叩くので垂直抗力が生じます。 対し、プロジェクタイルでは、宙吊りにされて、0m/sの慣性力のみで静止しています。お分かりかと思いますが、 「慣性力<垂直抗力」 です。慣性力しかない状態で衝突し、2mmの凹みを作るのは相当な力であったことが分かります。

さらにもう一つ、振り子を吊り下げるたこ糸が一本切れています。これは、振り子の右側にプロジェクタイルが着弾し、振り子に急激な反時計の回転運動が起こった為に引っ張られて切れたと思われます。 たこ糸と言えど、その強度はなかなかのもの、

まとめてみると、弾の運動エネルギーは、
・振り子の運動エネルギー
・木の変形エネルギー
・振り子本体の回転エネルギー
この3つに分散しています。 どう考えても7Jですべてをやってのけるのは無理です。

絶対に確証を持って言えることは、最低でも10Jは出ていたということです。
実際は20Jぐらいありそうですが、10J以上は未知数です。

では、10Jの出力があったとして、逆算するとこうなります。

初速:200m/s
エネルギー変換効率 0.10% (使用エネルギー9176.64J)
前回よりも4倍以上のエネルギーが向上しています。

結論から言って、一番の要因はアーマチャの改良だと思われます。

CIMG2046.jpg

今回のレールガン後部、やたら派手にスパークしています。

アーマチャの改良で、確実に通電してくれたため、放電痕がほぼ全体にわたって確認されました。
おかげで煤だらけなわけですが…。

まとめの動画はあと一回か二回やったら編集してうpします。2月の中旬~下旬を予定しています。

2012年1月28日土曜日

分析

引き続き、レールガンの分析です。

加速度:
今回の出力は2.5J(ここでは2.5Nとみる)で、弾は0.5g
ma=Fより、加速度は5000m/s^2

加速時間:
速度は100m/s、放電痕から判断して加速距離は130mm
1/2vt=mより、加速時間は2.6ms=放電時間

電流:
48Cで、C=A・sより、
≒18kA

18kAは平均的な値だと思います。
パルス時は50kAぐらい出てると思います。1msもないと思いますが。

結構放電速度が速いように感じます。
今のところインダクターのインダクタンスが2mHあって高い気もするのですが、
これより高い方がいいのか低い方がいいのかは謎です。

ISASのレールガンインダクタンスは20μHで低いですが、
レベルが違い過ぎて比較になりません。
レールガンはパルスで加速するようなもんなんでインダクタンスは減らした方がいいと思っている今日この頃。

なにかいい案ありましたらアドバイスください、お願いしますm(_ _)m

2012年1月27日金曜日

分析

wikiに載っていた速度表皮効果について今更ながら理解しました。

プラズマアーマチャはプロジェクタイルと銃身壁との間に隙間があるとそこから漏れてプロジェクタイルを追い越すためという簡単な理由でした。

私のレールガンには当然クリアランスがあり過ぎるので固形アーマチャを使用した方がいいようです。

アーマチャはsci-tech部さんのを参考にします。

ここから本題

レールガンを解体したところ、最初の部分のみで放電が起こっていました。

CIMG1980.jpg
CIMG1982.jpg

後部約130mmで放電が起こっています。

恐らくアーマチャが小さかったのでジュール熱ですぐ崩壊して流経路を絶った可能性があります。
少量のプラズマとアルミアーマチャを使う方法には欠点があり、通電してswからプラズマを生成しても、前に配置されたアルミアーマチャにエネルギーが伝わり、アルミが分裂し、プラズマのエネルギー低下、消失といった状況になります。

つまり、徐々に分裂するアルミと、エネルギーを奪われた低温のプラズマ、そして溶けたスチールが混在し、なんともカオスな状態になります。 一応リストライクを起こしにくい設計にしたつもりですが、何とも言えません。sci-tech部さんの発射映像を見るにさほど心配はないと思いますが…。

次の日曜日に再びアルミアーマチャで実験してみます。

2012年1月22日日曜日

時速360km/h

時間に余裕があったので本日一発程発射しました。

CIMG1955.jpg

実験時の様子はまとめ動画でアップしたいので今はなしで、

結果 約100m/s 出力は2.5Jで効率が0.02%です。
(アルミアーマチャ型)

今回から本格的に弾速を測ろうと思い、ハイスピードカメラと弾速計測用の的の二つを用いて測定しようとしたのですが、あまりうまくいきませんでした。

CIMG1962.jpg

↑これが弾速計測に用いた的です。

着弾時の落下高から時間及び速度を求めようと思ったのですが、
発射されたときに弾頭が上を向いたためか、発射口よりも上に着弾し、測定不能でした。

その時のために撮影したハイスピード映像(1000fps)も、画質が悪く、プロジェクタイルを捉えたかビミョーでした。 とりあえず射出されたプラズマ群の中で一番先に飛び出ている物がプロジェクタイルだと仮定したところ、1mの距離を1000fpsで10コマ(0.01s)で移動したので弾速は約100m/sと思われます。

CIMG1960.jpg

これは実験後にコンデンサバンクに残留した電圧です。
けっこう残ってます。いつもなら40v以下になるのですが、小口径化したためか、さほどエネルギーを使わなかったのでしょう。 

コンデンサバンクに余った電荷はいつも専用のスパークギャップで行うのですが、今回からコンパクト化して充電回路に抵抗を挟んだ放電回路を設けたのですが、いつも余るのは30~40、多くて50vだったので、200Ωくらいで十分だろうと手持ちのあまり抵抗(計188Ω)をつけたのですが、ぬかりました、100v以上も残っていたので、放電スイッチを入れたとたんに抵抗が黒こげになってお亡くなりになりました。 

また同じものを使うと同じ結果になるのは見えているので、
秋月あたりで大きめのメタルクラッド抵抗でも買っときます。

いろいろ書きたいことありますが、とりあえず今日はこの辺で

2012年1月21日土曜日

プロジェクタイル

レールガン二号機用のプロジェクタイル作るの忘れてました;

ってことで早速製作

CIMG1903.jpg

今回のレールガン改造で出たポリカの端材から切り出します。

CIMG1904.jpg

7mm×7mmで削り出しました。 しかし口径ピッタリでは当然弾が滑走してくれないので、レールガンを傾けたときに難なく滑り落ちるまで0.05mm単位で削っていき、口径に合わせていきます。

CIMG1932.jpg

とりあえず二つ削り出しました。

CIMG1934.jpg

後は手作業で弾頭を丸くヤスリ掛けしていきます。

CIMG1935.jpg

完成、アルミアーマチャ型とプラズマアーマチャ型を作りました。
(ここでいうアーマチャとは、飛翔体と推進して二つのレール間を導通させるための流経路を言います。)

重量は両方 0.5g程度

見てわかるとおり、左がアルミアーマチャ型で右がプラズマアーマチャ型です。

高速度で射出するにはプラズマアーマチャがいいのですが、
精度の低いレールガンではアルミアーマチャの方が有利です。

前回の記事で、一番精度の高いレールガンと言いましたが、
それはあくまで私のレールガンだけの話で、宇宙研にはもちろん、
kisaragiさんのレールガンよりも当然劣っています。 
今の技量とホビーツールの工具からしてみればそれは仕方ないのですが…

気づけばもうレールガンの実験の準備は整っていたり、
明日やってしまうのも悪くないですが… まあ考えておきます。

最近実験してないので忘れがちですが、
今のレールガンの目標はエネルギー変換効率1%を達成することです。

できたら4月までには達成したいですが、そんなにうまくいくのだろうか…
kisaragiさんでさえ1%超えがやっとなので…

ちなみに、1%に到達するためには、出力96J、弾速≒620m/s

…んー到達できる気がしないw

2012年1月20日金曜日

レールガン二号機 ver2.2

レールガン二号機(ver2.2)改造完了しました。

CIMG1891.jpg

本当は昨日終わったのですが、ブログを書く体力がありませんでした。

実はビミョーに完成してなかったり、(出っ張ったアルミを削ってないだけ)
まあ実験には何の支障もないのですが、見栄えが悪いので後でグラインダーで削っときます

さて本題

ES-2ことレールガン二号機も今回で5回目の改修となりました。
フライス盤とボール盤を駆使し、今までで一番高い精度を有しています。

CIMG1894.jpg

「…いいアングルだ。」
口径の最終的な誤差は±0.1mmほどになっています。

CIMG1895.jpg

今回一番こだわった部分です。

従来まで採用していた入力端子をボルトで圧着固定する方法は、どうしてもレールを飛び出させる必要があり、レールガン本体の大型化や、尾栓の密封性能の低下、などといった問題を抱えていました。
そこでレールに直接ネジタップを施し、入力端子をレールガン内部に収め、小型化、そして密封性能の向上を実現させました。

実験日程はまだ決めていませんが、近いうちにやりたいと思います。

2012年1月18日水曜日

ポリカーボネート vs 人間

今日は学校が入試休みだったのでレールガンの製作を進めていました。

CIMG1883.jpg
CIMG1884.jpg

予定通りの7×7mm口径です。

CIMG1888.jpg

切削中

CIMG1889.jpg

摩擦の大きい樹脂類は切削油ではなく、水を使用して冷却しながら穴をあけていきます。


穴あけの途中で前代未聞の問題が発生、

9個目の穴が貫通後、異様に煙が多く出て、すぐさまボール盤を停止して確認、
摩擦熱によって気化した水の蒸気だと一安心したのもつかの間の出来事でした。

ドリルの溝にポリカの切粉がつまり、ドリルがポリカに刺さった状態で止まっていたのでレバーを上にあげて取り出そうとしますが、「…とれない」 完全に詰まったと思い、ボール盤の力で回しつつ外そうと思い、始動してみるも、Vベルトがスリップするほどきつくなっていました。 しかたなくドリルが突き刺さったままドリルチャックを外し、ペンチでひねって取ろうとしますが、全く動きません。 仕方なくハンマーを使って穴から押し出そうとしました。 

…しかし、ドリルは微動だにしませんでした。

これはちょっとおかしいぞと思い、よく見てみると、ただ詰まっているのではありませんでした。

摩擦熱によって高温になったポリカの切粉とその周りのポリカが溶けあい、完全に溶着、一体化してドリルも完全固定されてしまっていたのです。 

CIMG1890.jpg

これはとても厄介です。知っての通り、ポリカーボネートは合成樹脂の中でも最強の強度を持つ非常に粘り強いプラスチックです。 ライフル弾にも耐えうることから防弾プラスチックとも呼ばれます。 そのポリカーボネートに完全固定されてしまったドリルを取り出す為にはポリカを破壊しなければいけません、然し、何度も言いますが、相手は最強の合成樹脂です、並みの力では勝てません。

ここから困難を極めた8mmドリルの救出劇が始まります。

まず考えたのは、半田ごてでドリルを温め、ポリカが熱で溶けたところを見計らってプラハンで強い一撃を与える方法。
結果、失敗。 耐熱にも優れるポリカーボネートでは半田ごての温度は全く効き目なしでした。
その次は、挟まったドリルにインパクトドライバをセットし、逆回転で引き抜こうとしました。 ですが、これも失敗。

この時点ですぐに詰まり、方法がありませんでした。

残るはただ一つ、ひたすらハンマーで叩き、無理にでも押し出す方法です。
しかし、これには大きなリスクが伴います。 まずドリルが曲がったり折れたり、凹んだりしてドリルが使用できなくなる可能性があります。また、固定しているポリカーボネートにはレールガンで一番重要な銃身溝が掘られており、傷ついて精度が低下する可能性もあります。

ドリルをこのままには出来ないのでやむなく決行、ひたすらハンマーでたたきます。しかし、10分叩き続けても微動だにしません。 このままでは無意味と判断、 ドリルの溝に入っているポリカに桐で穴をあけ、ドライバーでほじくり、空洞を確保して再び叩き始めます。すると徐々にずれていき、ドリルの一番上の溝まできました、しかしこれ以上は詰まって動くことはありません。ドリルの溝にあるポリカをなんとかしないことには… ここでさらに荒業を使います。電動ドライバーに細いドリルをつけ、ドリルの溝につまったポリカに無理やり穴をあけていき、さらに空洞を広げます。不安定な状態での作業で、1.5mmのドリルが一本犠牲になりました。これ以上は無理と言うほど穴を広げ、もう一度ハンマーで思いっきり叩きつけたところ、ついに動きました。後は軽く叩くだけで抜け、何とかドリルの救出に成功しました。 穴はボコボコになったものの、幸いにも致命的なダメージはなく、1.5mmのドリル一本の犠牲だけで済みました。 8mmドリルにも歪みはなく、問題なく使用出来る状態でした(さすがハイス鋼…)

約1時間に亘る救出劇となりました。

2012年1月17日火曜日

飛散防止カバー

色々製作は進めていてブログに書きたいのですが、
どれも中途半端なので書けませんでした。
また一週間以上放置してしまったので、穴埋め的な記事です。
とりあえず一つだけ紹介です。

切断、切削、穴あけ時に必ず出てしまう切粉、
外でやるなら何の問題もありませんが、
家の中なので飛び散らないように気を使わなければなりません。

以前までは掃除機の吸い込み口をあてがうことで切粉を飛ばないようにしてきましたが、1000Wも使う家電具を何時間も使うわけには行きません。電気代が(ry

なのでカバーを作って切粉をその中だけに収める様にしようとしたわけです。

で、できたのが、

CIMG1880.jpg
こちら、

テスト切削では飛び散ることなく良好な結果を見せるかと思いましたが、いろいろ問題が出ました。
壁が高すぎ、Z軸の高さ調整と横軸のスライドに干渉して思うように動かせないことが分かりました。さらにボール盤時に使うレバーも干渉することが判明、さらにさらにZ軸の干渉がカバーの着脱を面倒にさせています。さらにもう一つ、切削時の振動でカバーが徐々に移動して外れてしまうのです。

問題ありまくりなので、そこんとこ考慮しつつ、近々作り直します。

2012年1月7日土曜日

作業開始

年明けから更新してなかったのは、
里帰りやら新しい工具の買い出しやらで奔走していたからです。

それで、今の状態がコチラ↓

CIMG1834.jpg

…もはや工房です(笑)。
テーブルは家にあった余りものでテキトーに作りました。
即興ものですが、なかなか役に立ってくれます。

CIMG1836.jpg

今回一番必要だった品物、精密バイスです。
これで高精度での加工が可能になります。
CIMG1837.jpg

↑6300円という格安の卓上丸のこ、
本業並みにハードな使い方はしないのでこれでも問題ないでしょう。

他にも買ってきましたがそれは後程、

バイスも手に入り、やっとレールガンの改造作業開始です。

CIMG1843.jpg

2時間ほどかけて完成、 集中しすぎて途中経過を撮るのを忘れてました;

CIMG1842.jpg

綺麗に削れてます。

切削中、切り込む溝が次第に浅くなっている部分がありました。
端を固定した時に自重でたわんだのかと思いましたが、
ポリカそのものが、元からたわんでいたようです。

たわみがあったのは最端なので特に問題はないでしょう。

加工に結構時間がかかるので、この調子だと実験は冬休み明けになってしまいそうです。

2012年1月2日月曜日

2012年

苦悩の2011年に終わりを告げ、2012年が幕を開けました。

実は喪中だったりするので、年明け祝いはできませんが、

ブログをご覧の皆様、今年もよろしくお願いいたします。

m(_ _)m


2012年1月1日日曜日